2009年にチューリヒで最も有名なコンサートホールであるトーン・ハレで聴いた、オネゲルの「ダビデ王」が忘れられません。(チューリヒ・バッハ・コアー、バーゼル・シンフォニエッタ、指揮ペーター・アイデンベンツ)
聖書と欧州の劇の伝統が融合したような詩人レネ・モラーのテクストは、オネゲルの音楽にのせてオリジナルのフランス語でなくドイツ語で歌われ演ぜられるとき、また独特な力を持って私をはじめ、集まった全ての聴衆の心をとらえました。
2009年からスイスに住み始めた私は、その頃、なんでもドイツ語学習のテキストにすることを考えていました。彼の肖像が20スイスフラン紙幣に描かれ、スイス人に愛されてきたことは知っていましたが、彼の作品を聴いたのはこれが初めてで、それで印象は一際大きく、私はすぐに、これを翻訳する楽しい趣味に没頭することができました。
また、聖書学で「ダビデの最後の詩」(旧約聖書サムエル記下23章)についての論文を書くためにチューリヒにやってきた私にとって、論文以外で、ちょっと視点を変えてリラックスして取り組むためには、このテキストは最適だったのです。
これから、当時翻訳したものを、幕ごとにブログに記録しておきたいと思います(*←断念:コメント1参照)。なお、これらは、あくまでもフランス語詩からではなく、ドイツ語詩からの訳ですのでご了承ください。
* * *
まずは、構成から これは、ウィキベディアをそのまま引用させていただきます(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%87%E7%8E%8B_(%E3%82%AA%E3%83%8D%E3%82%B2%E3%83%AB))。
- 《第一部》
- 1.序奏
- 2.羊飼いダヴィデの歌
- 羊飼いの少年ダヴィデは、預言者サムエルから油を注がれ、神の恩寵を受ける存在となる。
- 3.詩篇「主を讃えよ」~ファンファーレとゴリアテの登場
- 少年ダヴィデはペリシテ人の巨人ゴリアテを倒す。
- 4.勝利の歌
- 5.行列
- ペリシテ人を破ったイスラエル軍は凱旋し、イスラエルの王サウルはダヴィデに娘を与える。しかし、ダヴィデの人気に嫉妬したサウルはダヴィデを殺そうと企む。
- 6.詩篇「何も恐れるな」
- サウル王から命を狙われたダヴィデは出奔し、荒野をさすらう。
- 7.詩篇「ああ!私に鳩の翼があれば」
- 8.預言者たちの頌歌
- 9.詩篇「神よ、我を憐れみ給え」
- サウルが率いるイスラエルは再びペリシテ人と戦になるが敗色が濃厚となる。
- 10.サウルの陣営
- 11.詩篇「主は私の無量の光」
- イスラエルの人々は神に祈るが、神からの答えはない。
- 12.まじない
- 巫女によって呼び出された預言者サムエルの霊は、サウル王が倒されることを告げる。窮したサウル王はギルボアの丘で自らの命を絶つ。
- 13.ペリシテ人の行進
- 14.ギルボアの嘆き
- ダヴィデは、死んだサウル王や、親友であったサウルの息子ヨナタンを思い嘆き悲しむ。
- 《第2部》
- ダヴィデがイスラエルの王となり、エルサレムが都となる。
- 15.祭りの頌歌
- 16.聖櫃の前の踊り
- 聖櫃をエルサレムに運ぶ行列が丘を上ってくる。ダヴィデは聖櫃の前で踊る。天使が現れてダヴィデの子孫に救世主があらわれることを予言する。天使たちのハレルヤの合唱。
- 《第3部》
- 17.賛美の歌「私の心から歌がほとばしる」
- 18.はしための歌
- ダヴィデ王は部下ウリヤの妻バテシバの水浴する姿に欲情し、ウリヤを殺してバテシバを手に入れる。ダヴィデの思い上がりに神の罰がくだる。
- 19.懺悔の詩篇
- 20.詩篇「私は罪の内にはらまれ」
- 21.詩篇「私は山の方へと目をあげる」
- 22.エフライムの歌
- 反乱を起こした王子アブサロムはエフライムの森で討たれ、その首級がダヴィデのもとに届けられる。ダヴィデは息子を悼む。
- 23.ヘブライ人たちの行進
- 反乱軍を討った王の軍隊の行進。
- 24.詩篇「主よ、優しい愛であなたを愛します」
- 国に平和が戻ったが、再びダヴィデは慢心し、神の罰を受ける。この時の神の凄まじい怒りは、山々が崩れ落ちるほどであった。
- 25.詩篇
- 老いたダヴィデ王はエルサレムに荘厳な神殿を建築することを約束し、バテシバとの間に生まれた子、ソロモンに位を譲ることにする。
- 26.ソロモンの戴冠式
- 27.ダヴィデの死
- ダヴィデは完成した神殿を眺め、神に感謝しつつ息を引き取る。再び、天使たちのハレルヤの声が響き渡る。
1 件のコメント:
著作権の問題により、訳を載せることは一端断念いたしました。作詞家の死後50年(日本/ベルヌ条約)-70年(スイス規定)を経てからでないと掲載できない(つまり、ルネ・モラーの詩の場合2013-2033年まで・・・)、との理解からです。
コメントを投稿