2014年2月11日

選挙・投票結果と今後の歩み―2月9日つれづれ雑感

2月9日、東京の都知事選挙と、スイスの各州でそれぞれに行われた外国人に関するイニシアティヴ投票の結果はいずれも、わたしにとっては残念なものでした。いや、政治や経済など、細やかな議論はわからないことも多いので偉そうなことは申し上げられません。わたしが残念だという理由は、ただ大つかみの印象から来ています。つまり、どちらにあっても(投票した全員がそのような意図をもっているわけではないにもかかわらず)、自分の生きる領域以外や、他者の在りようをみつめる視野を広げる可能性を制限する、ある極端に排他的な保守性が力を強めているように思われたからなのです。


また、これとは全然別のことなのですが、同じ日に、ある日本の教会/伝道所の総会で、わたしを牧師として派遣することを地域の諸教会の会議(中会)に願い出る件が決議された、という報せが届きました。3月末に予定されている中会でこれが認められた場合、これを神さまの御心と受け止めようと、約一ヵ月後の帰国の準備に入っているところです。そういうわけで9日は、いくらか複雑な思いのまま、去る国帰る国を見つめていたのでした。今後の生活の場がいよいよ定まりそうなこの時、これまで以上に広くいろいろな視野を持つために、頭ごなしをやめて、さまざまな人とふれあって、自分よがりを克服するあり方を求めていきたい、などと考えました。

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・・・と、そんなとき、おさない娘が、幼稚園の、国際色豊かな集合写真を見せてくれました。当然ながらというべきでしょうか、うらやましいことにというべきでしょうか、子供たちの多彩な笑顔には、人種や地域別の優劣はありませんでした。国旗を背負ってスポーツ競争することも知らず、紛争地域と平和な地域だとか、汚染地域と安全神話に生きる町だとか、どんな区別もごまかしも、まだよくわかっていない無邪気な笑顔です。この子たちが、いずれ排他的に保守的なイデオロギー教育を受け、隣にいた子を自分の益のために忌避する行動に出たりしないように、また、なによりこの笑顔を突然奪うような人災や紛争が二度と起こらないように・・・、そのための社会的な責任を、改めて覚えている今日この頃です。